自ら答をつくる
 宇宙エレベーターのクライマーという乗り物はこの世に存在しないので、それを設計・製作するための教科書もありません。機械工学の基本は踏まえつつも、クライマーの姿を頭に思い描き、実際に手を動かして作ってみる、それしかないのです。製作したものが実際に動作すれば、それはすなわち「クライマーを製作した」といえるわけです。

レゴからのスタート
 実際に宇宙エレベーターが建造され、実用となった場合には、クライマーの大きさは20トン程度のサイズが想定されています。試作はそのひな型、数千分の一となる10kg以下のサイズで始めます。さらにその前に、レゴブロックを使った試行錯誤も行われ、研究室の試行錯誤が始まりました。
 レゴを使って、ケーブルを掴むにはどのような車輪構成がよいのか、機体バランスはどうあるべきか、といったことを試行錯誤してみるのは大変よい方法であることがわかりました。レゴは自在に形を組み替えることができるので、最適のバランスを求めてどんどん進化させてゆくことができるからです。レゴを使ったクライマー試作は、後に独立して高校生から小学生まで参加できる、宇宙エレベーター教室の教材ともなっています。
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